2015年に特定空き家等を定めた、空き家対策特別措置法(以下、空き家法と呼びます)。
それでも増え続ける空き家に対応するため、2023年3月3日、新たに、改正案が閣議決定されました。
改正案の内容のポイントを抑えておこうと思います。
私は、国土交通省の報道発表資料でこの内容を知りました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html
国交省の資料をもとに、各メディアの報道内容も参照しながら、ポイントをまとめておこうと思います。
改正案の概要
国土交通省は次のように発表しています。

★1 住宅用地特例の税制措置について
特定空家等だけでなく管理不全空家等の減税措置も解除
所有者が最も気にしているのは固定資産税だと思います。
どのようなときに、減税措置が解除されてしまうのでしょうか。
国土交通省が発表した報道資料のうち、(3)に注目してください。

つまり、
- 市区町村長から、管理不全空家等に対して、「指導」または「勧告」を受ける
- 「勧告」を受けた場合、住宅用地特例が解除され、これまでよりも固定資産税が増える
ということになります。
この「管理不全空家等」がポイントになります。
これまでの、空き家法では、「特定空家等」の指定がなされ、その対策内容が示されていました。
今回の改正案では、「特定空家等」になるおそれがある空家等を「管理不全空家等」とし、その対策内容が示されたということになります。
つまり、措置対象となる空家の範囲が広くなったため、これまでより、多くの空家に対して、固定資産税の軽減措置が解除される可能性があると言うことです。
これまでは、すでに「危険な空き家」になっている家への事後的な措置でしたが、これからは「危険な空き家」になる前に事前措置を行っていく、ということを示しているのだと思います。
「勧告」を受けた場合、固定資産税はどのくらい増えるのか
現在、固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)では、面積に応じて、1/6~1/3に軽減されるようになっています。
詳細は、総務省の「総務省|地方税制度|固定資産税」に記載してあります。

つまり、例えば、現在、200㎡以下の住宅用地の固定資産税を支払っている場合、「勧告」を受けると、6倍の税金を支払う必要がでてくる、ということになります。
税が増額されるのが嫌なら、管理や撤去をきちんとしてくださいね、というのが政府のねらいです。
★2 特定空家等への対応
市区町村長が持つ、特定空家等の除去などの権限を強化
これまでの法律でも、市区町村長が「特定空家等」について、ある場合において、行政側が除去などの措置を代執行することが可能であり、その場合の費用は所有者に請求するという内容が示されていました。(空き家法第14条)
「行政の代執行」について、詳しく書かれたサイトの紹介
行政代執行とは-NPO法人 空家・空地管理センター
しかし、費用回収が難しく、財政事情が厳しい地方公共団体では実施に踏み込みにくいことなどが課題として指摘されていました。
(立法と調査 416号(令和元年10月1日):参議院|空き家対策の現状と課題を参照)
国土交通省が発表した報道発表資料

国土交通省が発表した新旧対照条文
「特定空家等に対する措置(第22条第12項)」より抜粋
“…費用の徴収については、行政代執行法第五条及び第六条の規定を準用する。”
報告徴収権とは
coming soon
財産管理人の選任請求権とは
coming soon
行政代執行法第五条及び第六条の内容とは

つまり、
- 市区町村長に報告徴収権を与えることによって、空家状況を把握しやすくし、市区町村長が勧告等を円滑に行えるようになる
- 代執行の費用の徴収については、行政代執行法を適応することにより、これまでよりも円滑になる
ということだと思います。(私ももう少し勉強します)
所有者ができる対策(coming soon)
このような内容をみると、所有者・納税者としては、次の疑問が湧くと思います。
- 増税されない方法は?
- 「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定されないためには?
改正案を踏まえて、空家を管理する業者の対策などを調べ、所有者ができる対策を考えてみます。
所有者ができる対策については、近日中に投稿します。
各メディアの報道まとめ





空き家対策 相続・税金に関する本の紹介
空き家の相続や税金に関して、詳しく書かれている本は多く出版されています。
参考にしてみてください。
日経アーキテクチュア 2023-03-23 No.1236 では、「空き家再生に挑む」という特集も組まれていました。


